嘘のような、本当の生産性のお話し

仕事の生産性について気付いたことがあるので、皆さんのご参考になればと思い、紹介をします。
 
 

私は企業研修の講師をやっています。
 

研修の内容はさまざまで、システム開発会社の新人向けに、基礎知識として”製造業の業務”を教えることもあれば、改革活動を全ての社員に拡げるために、社内の実際の業務を対象にした改革ケーススタディをやったりもします。

 

ある企業で、年に3回、それも3年にわたって同じ主旨の研修をやりました。社員全員、必ず一回は受けるという研修で、毎回、参加者が変わります。
その研修では、5つの部屋を用意してもらいます。各部屋に5~8人ずつチームに分かれて、決めた時間内にテーマ検討をしてもらい、その後、一同に会して結果を報告してもらうのです。

 

初回の研修では、一つのチームだけ、決められた時間内に検討結果がまとまりませんでした。
企業の事務局と私とで反省会を持ち、結果がまとまらなかった要因を分析して、研修プログラムや検討の進め方を見直しました。

 

2回目の研修では、どうだったのかと言うと、やはり、一つのチームだけ検討結果がまとまらなかったのです。
同じように、反省会を持ち、検討の進め方を見直したり、リーディング役の能力などの見極めも必要など、多々の対策を決めました。

 

しかし、3回目の研修でも、一つのチームだけ、どうしても検討結果がまとまらないのです。

 

ただ、3回やってみて、検討結果がまとまらないチームに共通の法則は見つかりました。
3回ともそうだったというだけですので、本当にそれが理由なのか分かりません。

 

ところが、4回、5回と続けても、やはり一つのチームだけ検討結果がまとまらないのです。他のチームと同じテーマで検討してもらい、参加者のスキルもある程度は均等にしているにも関わらずです。

 

結果として、その企業でトータル9回の研修をやりましたが、9回とも、毎回一つのチームだけが検討結果がまとまらない事態になってしまいました。
そして、先に見つけた共通の法則が全てに当てはまり、経験的にですが、その法則が、議論の生産性を阻害する要因だと確信したのです。

 
 

その要因は‥‥、
 『部屋に窓が無い』
ということ。

 

たったそれだけのことなのです。

 

コンサルティングで企業のメンバーとセッションしたり、議論したりするのですが、気持ち的に窓のない部屋だと時間通りに進むことが少なく、議論が収れんしていかないような気がしています。

 

経験的に分かったことですが、そういったことも、仕事の生産性に影響しているのだと思います。

その他のコンサル通信
コンサル通信TOP